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【Bioracerサポートライダー】池本真也選手にきく海外シクロクロス事情 [前編]

先日ベルギー・ゾルダーで世界選手権が行われたシクロクロス。近年盛り上がりを見せているシクロクロスですが、やはり競技の中心となっているのは強豪国であるベルギーと、隣国のオランダです。
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 ビオレーサーでは、FRIETEN(フリッツェン)チームの池本真也選手をサポートしています。オランダを拠点に海外遠征経験が豊富な池本選手は、今期の海外遠征では4レースに出場されています。海外に戦いの場を求める理由、日本との違いなど、海外のクロクロス事情を伺いました。前後編に分けてお送りします。
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Q:今季FRIETEN(フリッツェン)に所属されていますが、その経緯やチームのご紹介をお願いします。
 私を気にかけてくれていた足立晴信さんが主管するチーム 『U.G.WORKS BIORACER CYCLING TEAM』に、これまでも応援とレースサポートをして頂いていました。足立さんも私もベルギー、オランダで走っていましたので、私たちは競技をするにも、観戦するにも、楽しむにも、正面を向いて、サイクルクロスの本場ヨーロッパを目指そう!!と言う意思のもとで、こちらのチームに加入しました。
今年からチーム名をFRIETEN(フリッツェン)と変更しました。FRIETENの由来は、私の家に自転車好きの方々が集まりフリッツを食べながら、春のクラッシックレースをTV観戦している際に 「横浜フリッツェン」 と名乗って遊んでいたのが始まりです。フリッツェンとはオランダ語でフライドポテトの意味で、ベルギーやオランダでよく食べられている国民食ともいえる食べ物です。
海外のサイクルクロスレースについて
 Q:高校卒業後から海外に自転車留学、1990年代からはオランダを拠点に参戦もされています。今季も海外でサイクルクロスに4レースに参戦されていますが、海外遠征をされる理由を教えてください。
ヨーロッパのレースは競技性が非常に高く、どうしても日本の参加型のレースとは、コースも環境も違います。私が参加したUCIレースやナショナルレースに参加している選手達は、プロ選手だったり、世界のトップを目指しているこれからの選手ばかりで、レースに対する本気度が違います。
また8シーズン続けて海外へチャレンジしていたので、私の中のスタンダードなサイクルクロスは、ヨーロッパにあります。私も日本のレースで表彰台に上がる事もありますが、 たとえ日本のレースで良い走りが出来たとしても、それは本当の意味で追い込まれていない状況下での走りやテクニックでの結果だと考えています。サイクルクロスの本場で、ハードなコース状況下におかれ、世界のトッププロ選手やプロを目指す選手達と戦い、極限まで追い込んで、追い込まれて、キツい状況でも冷静に判断しながら走るレースを求めて、ヨーロッパに遠征しています。
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Bpost bank trofee Loenhautにて
※今季参戦された海外レース結果※
■12/26 Reusel (オランダ ナショナルレース) 30位
■12/27 スーパープレステージDiegem (ベルギー UCI-1)  35分周回遅れ
■12/29 Bpost bank trofee Loenhaut (ベルギー UCI-1) 35分周回遅れ
■01/03 Sint-Michelsgestel (オランダナショナルレース) 35位
Q:2015年12月27日には、ご自身今回の大一番の目標レース『 スーパープレステージDiegem (ベルギー UCI-1)』に参加されました。再びスーパープレステージに帰って来た喜びで、身体の奥底から熱くなるのを感じたそうですが、レースはいかがでしたか?
Diegemはナイターのレースです。ライトアップされた中でのレースは、選手がスタートに集中した静けさがたまらなかったです。緊張感や匂い雰囲気と、そこでしか感じ得ない空気感がありました。しかし、レースには参加はしたけれど、レースにはまったく加われなかったです。以前Diegemで完走した事もありますが、サイクルクロスを取り巻く環境が変わり、参加選手やコースや環境も非常にレベルアップしていました。ここに参加するためには、ヨーロッパのレースをシーズン通して、日常としてチャレンジし続けていないと、世界という舞台では結果は出せないと改めて感じました。
スーパープレステージDiegemにて
Q:お話を伺っていますと、日本と海外のサイクルクロスレースとの間には明らかな違いがあるかと思います。その違いを教えてください。まずは、コース設定の違い、走る事で感じること、得られることは、何でしょうか?
オランダやベルギーは土が砂っぽく、地面が柔らかい事もあり、路面が重くギアを掛けたトルクあるスピードが必要になります。コースには必ず舗装路があり、同じ集団で走る場面でも舗装路など踏む区間は強烈なスピードに耐えながら走りました。日本国内のレースは低速域のレースが多いのですが、ヨーロッパのレースではスピード域の高いロードレース(クリテリウム)の延長上にあると感じます。求められるスピード域が違うので、コースの設定も変わってきて、速い者がより速く走れるコース設定になっています。
走る事では得られることは、誰もが本気だと言うこと。おちゃらけた雰囲気はまったく無く、密集したスタート直後も譲り合いの欠片もありません。誰もが他の選手より前で走りたい気持ちを表して走っています。時には汚い言葉を浴びせながら、集団での殺気に満ちたレースは、たまらないです!
Q: 海外のトップ選手からは何を感じますか?また、レースにはどんな選手が参加しているのですか?
UCIレースでは、サイクルクロスを生業とする職業プロ選手のみが上位を占めています。ベルギーやオランダで活動するトップ選手達は、土日続けてレースを走る事がほとんどです。クリスマスから年始にかけては、二日に一回の割合でレースに出る選手もいるほどです。加えて彼らの速さ、テクニック、モチベーションの高さは、アマチュアの選手とはまったく違います。
ナショナルレースに参加する選手は、エリートアマチュアの選手や他種目を専業としているプロ選手もいました。ファンとして参加している選手は、ほとんどいません。自分の力に合わせたレースを選んでいる選手や、次のステップへの足掛かりとして参加している選手がほとんどです。
Q:サイクルクロスの本場は、会場や観客の雰囲気もやはり異なりますか?
サイクルクロスが『観るスポーツ』として定着していて、ベルギーのトップレースの雰囲気はお祭りのようです。多くの観客がビールを飲んでいるので、興奮していて、なかにはガラの悪い観客もいます。観客も選手の事を良く知っているので、声を掛けられることもあります。Diegemでは2万5,000人の観客が押しかけて、帰りは渋滞が酷かったです。
 
 
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池本真也
横浜市出身 37歳
中学生の時にロードレーサーを購入し、元プロロードレーサー森幸春さんに出会い、アドバイスを受ける。高校生の時からレース活動を初め、シクロクロス、ロードレースで入賞する。1996年シクロクロス世界選手権ジュニアに出場を機会にシクロクロスをメインに活動し、高校卒業後にオランダへ自転車留学。
                                                                                                                                                            1996~2004年までシクロクロスシーズンをオランダで過し、世界選手権、ワールドカップ、全日本選手権等で実績を残す。2004年から一度シクロクロスに区切りをつけ、Team NIPPOでロードレースをメインに活動し、日本国内の実業団レースや、オランダ、ベルギーでの海外レースで入賞する。
現在はシクロクロスをメインに走り、2015年からは、BIORACERがサポートするFRIETEN(フリッツェン)に所属して活動中。

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