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【Bioracerサポートチーム】愛三工業レーシングチーム PETRONAS Le Tour de Langkawi UCI 2.Proレースレポート

BIORACER Japanでは、サイクルスポーツ強豪国である本国ベルギーをはじめ、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグなど各国ナショナルチーム採用サイクルジャージ同様の、ハイクオリティなカスタムサイクルジャージを日本のお客様にお届けしています。

今回は、BIORACER製ジャージを採用する「愛三工業レーシングチーム」様のレースレポートをお届けします。

PETRONAS Le Tour de Langkawi UCI 2.Pro レースレポート

2⽉6日(水)から2月15日(日)までマレーシアで行われたPetronas Le Tour de Langkawiに出場しました。過去2010年より8年連続で出場していた ツール・ド・ランカウイ。2017年以来出場権を逃していましたが、2020年3年ぶりに出場できることになりました。

今年のツール・ド・ランカウイは非常にタフな設定で、初日2月6日にボルネオ島コタキナバルでUCI 国際クリテリウムが行われ、その後飛行機で同じボルネオ島のクチンでツールドランカウイ第1ステージを行い、さらに飛行機移動してマレー半島に舞台を移し、第2ステージ以降のステージが行われ、第7ステージ後に船でランカウイ島に移動をして、最終第8ステージを行い、さらに2月15日にツールドランカウイとは別に、UCI1クラスのレースが行われるというタフな設定でした。

チームは住吉・岡本・草場・大前とスプリンターを中心に備えて、総合狙いの伊藤と新加入の貝原の6名での参戦になりました。目標はステージ優勝と個人総合上位でUCI ポイントを獲得することでした。

2/6 THE RESORT WORLD GENTING CRITERIUM INTERNATIONAL

Tour de Langkawi 2020 を前日に控えた今日、THE RESORT WORLD GENTING CRITERIUM INTERNATIONAL がマレーシアのコタキナバル市街地を舞台に行われた。メンバーは伊藤、住吉、岡本、草場、大前、貝原(’20年新人)の6名をエントリーし、本戦も同様のメンバーで臨む。

クリテリウムコースは1周10kmの平坦貴重の特設コースを8周する80kmとクリテリウムとしては距離が長いこと、本戦レースを控えた顔見せ要素を含んだレースであることから、各チームのモチベーションに差が発生すると考え、レースは大きく集団が分かれる可能性があることが予想されたが、チームとしては本戦を控えているため、大きなリスクを背負う必要はないと判断し、落車につながるような競合いを回避しつつ、他チームの動き、自身の身体の反応を確かめるレースとした。

正式スタートと同時に20名弱の先行グループが形成され、ここに新人の貝原が反応し積極的な走りを見せるが、先行グループには強豪チームのメンバーが複数人含まれていたため、想定以上のハイペースとなり貝原はたまらず30km地点で先行グループから離脱を余儀なくされた。 後続は地元チームが集団コントロールで先行グループとの差を一定に保ち、逃げ切りか集団スプリントになるか微妙な展開となったが、最終的にはスプリンターを抱えた強豪チームの強烈な牽引で残り5km地点で全ての先行選手をキャッチして集団ゴールスプリントへ向かう。

最後は危険を回避しつつ岡本、大前が集団スプリントに加わり、大前15位、岡本16位とそれぞれ健闘した。
レース後は選手それぞれ感触がよかったことも確認でき、明日からの本戦に意欲を示した。
Tour de Langkawi は8日間8ステージの戦いとなるが、若い力を結集し力を発揮していきたい。

Stage1 Kuching

本日よりLe Tour de Langkawi 2020 がマレーシア・クチンにて開幕した。メンバーは昨日に続き伊藤、住吉、岡本、草場、大前、貝原の6 名で臨む。 コースはクチンをスタートし、郊外幹線道路を経由したのち、クチンの街中を周回する全行程85.6km で行われた。前半は平坦で単調ではあるものの、クチンでの周回はテクニカルなため短距離レースながら片時も油断ができないコースとなっていた。

チームとしては集団ゴールでのスプリント勝負に持ち込みたいが、初日から主導権を握れるほど甘いレースではないため強豪チームの出方を伺いつつ、岡本をスプリントのエースとして集団ゴールに持ち込めるよう全員で立ち回ることとした。 レースはスタートからハイペースで進み、前半30km地点までスピードが緩むことのない厳しい展開。初日としてはかなり激しいアタック合戦が続いたが、35km地点で2名が飛び出しに成功し動きを止めたメイン集団から最大で5分40秒もの差を稼ぎ出す。メイン集団はNTT、アンドローニが主体となって追走を開始するが、あまりにも広がりすぎたタイム差を詰めるには残り距離が少ない。

効果的に差を詰められない集団から焦りを感じたその刹那、集団内で落車が発生。この落車によって集団が分裂し、チームで固まっていた愛三工業の面々は後続に取り残される構図となった。すぐさま追走し先頭集団に追いついたものの、追走の最中で岡本が落車し、戦線離脱を余儀なくされてしまった。残された選手でスプリント勝負を挑む方向で切り替えたが、残り距離が少ない中、追走で全員が消耗してしまったこと、集団内の落ち着きのなさから危険性を感じたこともあり、無理をせず翌日からの勝負に切り替える判断をした。

最終的に集団は先行した2名を捕らえきれず、3位争いの集団スプリントとなった。もはやチームとしてはバラバラになってしまったが、住吉が前方でスプリントにチャレンジし16位でフィニッシュ。伊藤、草場が同集団内でのゴールとなった。

また、落車した岡本と集団からこぼれてしまった大前、貝原も無事にゴールし、翌日へ望みを繋いだ。 落車、パンクなどトラブル多発のスタートとなったが、まだまだチャンスは多く残されている。明日からのステージでもチームワークを高め、上位のリザルトを目指していきたい。

Stage2 Kuala Terengganu – Kerteh

本日はLe Tour de Langkawi 2020 第2 ステージがTerengganu – Kerteh 間を南下する175.5kmで行われた。
コースは後半に多少の起伏を含むものの、全体的に平坦基調のレイアウト。イージーなコース設定とは裏腹に海岸線からの横風次第では過酷な展開も予想される油断できないステージであった。

チームとしては本日も集団ゴールでのスプリント勝負を想定し、まずは一桁順位を獲得を目指した。スプリントのエースはここまで調子を上げてきている草場をエースとし、住吉、大前、岡本でスプリントのアシスト。伊藤は総合争いを控えているため集団内でのゴール、貝原は全体のサポートに徹することとした。

レースは早々に5名の先行グループが形成され、リーダーチームのヴィノ・アスタナが集団コントロールを担う展開となる。最大5分ほどのタイム差をキープしたまま前半の平坦区間を終え、安定した集団コントロールで後半区間にさしかかると、追走のペースを1段上げ、であっという間に先頭5名との差を一気に詰め始める。

残り30kmを切り、先頭5名とのタイム差は2分を切る。先頭では1名の選手がさらなる攻撃を仕掛ける動きがあったものの残り5km地点で全ての選手を吸収し、集団ゴールスプリントの位置どりが始まる。
このシビアな動きによって住吉が他選手と接触し機材トラブルに見舞われたものの、そのまま草場の牽引に加わり、良いポジションをキープした状態で残り1kmで大前にスイッチする。ここから大前は先頭でリードアウトの役目を全うし、草場に全てを託す。草場は若干早めの仕掛けでスプリントを開始ししたが、他選手の追撃が上回り10位でのフィニッシュとなった。

本日も多少のトラブルに見舞われたが、各選手の臨機応変な対応で目標の一桁順位を獲得できる位置までこれたことは想定以上の良い出来であったと思う。チーム全体としての動きも良いため、今後の各ステージにおいても必ずチャンスを生かせると信じ、残されたステージもひたむきにチャレンジを続けたい。

Stage3 Temerloh – Kuala Lumpur

本日はLe Tour de Langkawi 2020 第3ステージがTemerloh – Kuala Lumpur間を南西に進む162.5kmで行われた。

コースは昨年のTour of Peninsular 2019 でも設定されたGenting Sempah(山岳)を越えるレイアウトとなっており、明日のクイーンステージを控えながらも、個人総合争いが想定される難易度の高いステージであった。

チームとしてまずは個人総合成績で遅れを取らないよう伊藤・住吉・草場を先頭集団に残すことを第一とし、岡本・大前・貝原は山岳で勝負がかかる前段階の全般的なアシストに徹することとした。
レースは本日もリーダーチームのヴィノ・アスタナが集団前方に位置し、不利な展開を避けるよう厳格なコントロールで進める。20km地点を過ぎたころ、7名の先行グループが形成され、集団との差を最大3分30秒にまで広げプレッシャーをかける。

この7名は途中に設定されたスプリントポイント狙いの選手が大多数を占めていることから長くは続かない(逃げ切りまで考えていない)ことが予測できた。そのため、勝負どころのGenting Sempah(山岳)までには少なくとも7 名の協調体制は崩れると考え、山岳でのペースアップに備え、体制を整えることとした。
山岳の麓に差し掛かる頃には先頭との差が2分と縮まり、勝負の時が迫ってくると追走のペースも徐々に高まり、たまらずこぼれ落ちてくる選手が出始める。

愛三工業は岡本を先頭に好位置をキープし、伊藤・住吉・草場を献身的にサポートしていく。岡本・大前・貝原が本格的な勝負どころまでのアシストを終えたころ、集団も活性化し先頭はバラバラになり始める。その頃先行グループの7名から1名が飛び出し、独走を開始し山頂を越えていく。先頭通過から遅れること1 分。山頂を先頭集団で伊藤・住吉・草場が予定通りクリアするが、下り入ったところで草場が前後輪パンクと痛恨の戦線離脱。草場はペースの上がり切った集団に復帰することは叶わず、先頭集団で勝負できる選手は伊藤・住吉の2名を残すのみとなった。

下りが終わると先行1名に追走2名が追いつき、3名で逃げ続けるがメイン集団をNTTが強烈な牽引で引っ張りつづけ、残り2km 地点で全ての選手を吸収し、集団ゴールスプリントとなった。最後は住吉がスプリントに挑むが単独での勝負では分が悪く、16位でのフィニッシュとなった。
3名を残した状態でのスプリント勝負であれば十分に可能性があっただけに悔しさが残るものの、選手らはそれぞれの仕事を全うし、トラブルにもめげず最後まで戦い抜いたことで明日以降も全員で戦える。
明日はクイーンステージとなるが、本日同様に最善をつくしていきたい。

Stage4 Putrajaya – Genting Highlands

本日はLe Tour de Langkawi 2020 第4ステージがPutrajaya – Genting Highlands 間を北上する156.1kmで行われた。

今大会の個人総合を事実上決定づけるクイーンステージとなるコースはマレーシアではおなじみのGenting Highlands の山頂ゴールが設定されている。チームは、個人総合成績で上位を狙う伊藤をエース、住吉をサブエースに立て、岡本、草場、大前、貝原で山岳までの全般的なアシストをすることとした。

レースはスタートからアップダウンの続くコースを利用して激しいアタック合戦が繰り広げられ、早々に14名の先行グループが形成される。このメンバーには山岳に強い選手も含まれてはいるものの、主に平坦(スプリンター系)の選手で構成されていたこと、人数が多く、各選手の思惑も違うため継続的にペースを維持することが困難であることが予想され、山頂まで逃げ切る可能性は低いと判断し、リーダーチームに集団コントロールを任せることとした。
2分前後でコントロールされていたメイン集団はこのまま順調に差をキープしていくものかと思われたが、焦りを感じた他チームが牽引に加わり、一気にペースアップを図る。厳しいコースに加え、突然のペースアップにここで貝原が単独で遅れをとり、その後集団復帰は叶わず中盤までに無念のリタイアとなってしまった。

先行14名とメイン集団の差を1分まで縮めたころ、集団も落ち着きを取り戻し差をキープしたまま再度リーダーチームが集団コントロールを始める。先行14名は差を1分とされたことにより積極的に差を広げる動きが止まってしまったため、例年より遅いペースで最後の山岳区間へ向かう。

各チーム入り乱れながらペースアップが開始され、山岳区間スタートと時を同じくして集団は分解。先行14名からは5名が飛び出しを図っているものの差は無いに等しく、人数を減らしながら活性化するメイン集団に吸収されていく。ここにチームメイトのアシストを受けた伊藤、住吉も食らいつくが、集団の勢いに付ききれず、それぞれ単独走行でペースをキープしていく走りに切り替える。

その後も前方からこぼれてくる選手をパスしながら山岳をこなし、伊藤はこのステージ34位、また住吉は46位でフィニッシュとなった。この結果、伊藤は個人総合成績を31位とし、UCIポイント獲得圏内に位置している。
伊藤はゴール後、失意を隠せない状態ではあったが、不調の中最後まで全力を尽くしてくれた姿勢は、若い選手への良いメッセージになったのではないかと感じている。

Tour de Langkawi 2020 も残すところ4ステージ(4日間)と折り返しに入るが残されたあらゆるチャンスをものにすべく、チーム力を高めながら日々戦っていきたい。

Stage5 Kuala kubu Bharu – Ipoh

本日はLe Tour de Langkawi 2020 第5ステージがKuala kubu Bharu – Ipoh 間を北上する165.8kmで行われた。

コースは昨日とは打って変わり、平坦が一直線に続くステージとなり、集団スプリントの可能性が高いステージとなる。チームは、初日からの目標であるステージでの一桁順位を目指すべく、集団スプリント一本に絞り、大前をスプリントのエースに立て、総力戦で勝負を挑むこととした。

レースは昨日の結果から個人総合順位に変動があり、チームサプラ(マレーシア)がリーダーチームとして集団統制を図っていく。例年、山岳ステージの後は展開が激しくなることが多いが、その例年通りの展開で各チーム入り乱れながらの熾烈なアタック合戦で消化していき、50km を過ぎたあたりで6名の先行グループが形成された。この展開からすぐさまリーダーチームが集団コントロールを開始し先行グループとメイン集団の差は最大3分までとする。
多少の風向きの変化などあったものの、危なげない集団コントロールで順調に先行グループとの差を縮めていき、ラスト5kmを切って集団は一つとなり、集団ゴールスプリントに向かう。

住吉を先頭に位置どりを開始したものの、ラスト2kmを切ったところで連携が噛み合わず、チームはバラバラのまま個々でスプリントしなければならない状態となり最終コーナーを立ち上がる。最後は集団前方で埋もれてしまい、大前は12位でフィニッシュとなった。

連携が噛み合わなかったことでチャンスを逃す結果となったが、各選手が強い思いを持ってレースに臨んでいることは確かで、その気持ちが先走ったことがミスを誘発したように感じた。
チームの結束を再度密にし、我々の形を示していけるよう残されたステージを集中して臨んでいきたい。

Stage6 Taiping – Penang Island

本日はLe Tour de Langkawi 2020 第6ステージがTaiping – Penang Island 間を北上する150.9kmで行われた。

コースは2016年同大会で設定された実績のあるペナン島が舞台となる。前半は平坦、後半にペナン島の丘越え、1級山岳を控えるレイアウトで個人総合が変動する展開が予想された。チームとしてはスプリンターメインでの構成のため山岳での勝負はせず、メイン集団にできるだけ多く選手を残した状態でゴール勝負に持ち込むことを考え、前半は脚を温存し、チームでスプリント勝負できる体制を整えることとした。

レースは昨日同様スピードが落ちることのない長いアタック合戦が続く展開。それは実に平均時速50km/h弱をマークしながら70kmもの間繰り返され気温上昇とともに次第に選手の疲労が濃くなっていくのが感じ取れた。
ペナン島に向かう陸橋に差し掛かったころ、4名の先行グループが形成されタイム差を最大2分45秒まで広げる。ペナン島内の丘越えを前にリーダーチームも本格的に追走に入るが先行している4名も強力で思うようにタイム差は縮まらない。想定していたより早くリーダーチームのアシストが脱落したがメイン集団のペースは落ちず勝負どころの1級山岳の麓までに先行4名との差は1 分を切るまでに縮まる。ここから生き残りをかけた戦いが始まり、メイン集団のペースは上がり切った状態で山頂を目指す。

大きく集団が分裂しながら先行4名を飲み込むと個人総合成績をかけたアタックが繰り返される。岡本がこの時点で遅れてしまったものの、メイン集団には伊藤、住吉、草場、大前の4名が残る願ってもない展開。山頂までに多少のばらつきはあったものの、メイン集団から離れることなく山頂を通過しテクニカルな下りを経て最後の平坦区間に差し掛かる。

残り10kmで集団は一つとなり集団ゴールの可能性が高まったが、アタックの応酬が静まる気配はない。やがて2名の先行を許す形で集団は一瞬沈黙。先行2名は個人総合リーダーを脅かす存在ではなかったため、リーダーチームは追走の手を緩めたが、しばらく間を置いて追走集団が11名で形成される。追走集団、メイン集団とも各チームの思惑が錯綜し、牽制を含みながら先行2名を追走していくがタイム差は広がったまま残り距離を消化していく。
最終的に先行2名は逃げ切り、NIPPO DELKOの中根選手が嬉しいプロ初勝利を飾った。後続は4秒差で追走集団がゴール。8秒差でメイン集団がゴールとなり、このメイン集団でスプリントした大前が5 番手でフィニッシュし18位となった。

チームとしては最終局面に4名を残す大きなチャンスを得ていたが個人総合争いの動きの前にあと一歩及ばなかった。最後は難しい選択を迫られた部分もあるが、目標まで後少しのところまで来ている確信を得た。
明日は集団スプリントになる確率が高いステージとなるが、このステップを糧にステージ上位を目指していきたい。

Stage7 Bagan – Alor Setar

本日はLe Tour de Langkawi 2020 第7ステージがBagan – Alor Setar 間を北上する130.4kmで行われた。

コースは今大会中で最も集団スプリントになる可能性が高い平坦のショートステージ。ここまで目標としている一桁順位は未だ達成できていない現状から、目標は変更せずチームワークの確立、ステージ一桁順位でのゴール達成を目指した。

レースは連日の攻防が激しかったことも手伝ったか、早めに逃がしを容認する動きが見られた。20km地点を過ぎたあたりで5 名の先行グループが形成され、ここに伊藤が入ることに成功する。
最大5分弱のタイム差を稼ぎ出すと、スプリンターを抱えた各チームが協力する形で集団コントロールを開始。全体の距離も短いせいか行程の半分を過ぎたあたりからメイン集団の猛烈な追い上げが始まりあっという間に差を2分強とする。これまでになく差の詰め方が早いため、多少の戸惑いはあるものの、集団スプリントで勝負することを決めていた我々としては集団の動きに注意を払い、その時を待つのみであった。

残り30kmを切ったあたりで先行5名はペースアップと同時に脱落していく選手も出始め、残り15kmを迎えると伊藤も先行グループから脱落し、メイン集団に吸収される。 ゴールまで5kmを切ると全ての先行選手を吸収。レースは予定通り集団ゴールスプリントへ突入する。ここまでスプリントで好調の大前をエースに、住吉、岡本、草場で連携し前方に位置する。しかし、今回も連携は阻まれてしまい、集団内で逸れてしまったため、最後は住吉が出来る限り大前を最善のポジションにまで引き上げスプリント勝負へ向かう。大前は右外側からスプリントに挑み、このステージを9位でフィニッシュした。

当初の目標である一桁順位を獲得したものの、選手の表情が晴れることはなかった。強豪チームに阻まれていることもあるが、連携面での課題が多いことを選手自身が自覚しているからに他ならない。今回のレースのように恵まれた環境でそれを学ぶ機会はそう多くなく、すぐに完成するほど単純ではない。しかし、昨日のレース同様着実なステップを踏めている様子に幾ばくかの期待も持ち合わせている。 明日は最終ステージを迎えることになるが、最後までチームとしての走りを追求していきたい。

Stage8 Langkawi

本日はLe Tour de Langkawi 2020 最終日となる第8ステージがランカウィ島を舞台とする108.4kmで行われた。

コース108km とショートステージとなるが、ランカウィ島独特の急勾配のアップダウンが設定される、個人総合、山岳賞の逆転をかけた動きを生むには十分なレイアウトとなっていた。集団が分解される可能性をはらんでいる以上、個人総合でUCIポイント獲得圏内に位置する伊藤、住吉を先頭グループでフィニッシュさせることを最優先事項とし、岡本、草場、大前でアシストを編成することとした。

レースは後半に設定されたアップダウンの周回コースでの激しい攻防戦が予測されたため前半は抑えめに進むかと思われたが、30kmすぎまでアタック合戦を繰り返し、5名の先行グループが形成されたところで集団は落ち着きを取り戻す。

その後、最大2分弱の差をキープして終盤の周回コースに入ると、各チームの攻撃が開始される。毎周回の登坂区間でアタックが繰り返されるが、どのアタックも有効な攻撃につながらず、集団は別れては戻るの状態がしばらく続き、最終周回に突入していく。
最終的に2名の先行グループが形成されたものの、逃げ切りまでには届かず、人数を減らしたメイングループがこれを吸収し、集団スプリントとなった。メイン集団内に残っていたのは伊藤、住吉、草場の3名。伊藤、住吉は危なげなく集団内でゴールし、草場は単独でスプリント勝負に果敢に挑み、このステージ9位と奮闘した。また、この結果で個人総合成績を伊藤27位、住吉34位となり、合計8ptのUCIポイントを獲得となった。

ステージでのUCIポイント獲得までは惜しくも届かなかったが、当初の目標としていたステージ一桁順位でのゴールを2 回達成とUCI ポイント獲得圏内に2名絡むことができたのは予測を上回る結果であった。
反面、連携面での課題をクリアするにはまだまだ時間と場数が必要なことは否めない。シーズンは始まったばかりだが、今後もこの課題は引き続き取り組んでいき、今度のレースの勝利に結びつけていきたい。

最後に、今回のTour de Langkawi は突然の招待をいただき、準備する時間もないまま戦いを挑むこととなったが、そのような状況の中でも選手らは日々最大限のパフォーマンスを発揮し、結果を追い求めてくれた。この背景には日々過酷な環境下の中、献身的なサポートをしてくれた渡会、久保トレーナー、早川スタッフ、小松メカニック、現地スタッフのクチョン、ロスタムのおかげに他ならず、感謝を申し上げたい。

また、3年ぶりにこのレースに帰ってこられたことは愛三工業はじめ、各社サプライヤー、ファンの皆様のご支援の賜物であり、この応援にお応えできるよう今後もチーム一丸となって精進していきたい。

MMC LANGKAWI MALAYSIAN CLASSIC 2020(UCI 1.1)Langkawi

本日はMMC LANGKAWI MALAYSIAN CLASSIC 2020 が昨日に引き続きランカウィ島を舞台に行われた。

コースは昨日の逆周りにプラスして島南部を使用した起伏に富んだレイアウトとともに、昨日と同様に最後は1周8km 強の周回を6回こなすトータル159kmとタフな設定となる。エントリーは伊藤、住吉、岡本、草場、貝原の5名。大前は体調不良により監督判断で出場を見送ることとした。

昨日までとは打って変わり、1DAYレースの一発勝負となること、Tour de Langkawiの疲労が癒えぬままでのレースというシチュエーションから集団は大分断する展開が予想された。とはいえ、逃げグループからの勝負と集団スプリントの両方で可能性が残されているため、伊藤、住吉を逃げに送り込み勝負すること、集団スプリントになった場合を想定し草場、岡本、貝原を温存しておく2本立てでリスクの分散を図ることとした。

レースはスタートと同時に様子見のアタック合戦が続くが大人数の先行グループが形成されては吸収される展開で進む。20kmを過ぎたあたりから先行グループが30名で形成され、メイン集団は3分割する厳しいシチュエーションとなり先行グループに伊藤、メイン集団に住吉、草場、後続集団に岡本、貝原とチームは分断されてしまう。

当初の予定通りの動きであったが、もうひと展開あることを予測していたことから追走の動きが発生するかに見えたが、30 名と大人数での先行を許してしまったことが災いし後続集団は追走の意欲を失ってしまう。結果的にこの30名の先行グループがメイン集団となり、以下後続グループはリタイアを余儀なくされ、住吉、岡本、草場、貝原は強制的にレースを終えることになってしまった。

この絞り込まれた30名の中には複数人選手を送り込んでいるチームがある中、チームから唯一送り込んでいるのは伊藤1人のみ。圧倒的不利な展開であるが、最後の周回コースに入った段階で複数人揃えたチーム同士のふるい落としに耐えることができれば上位10名程度の勝負になると考えていた。
最後の周回コースに入ると散発的なアタックが開始されるがどれも決定的な動きとならない。残り周回3周を切ると、ふるい落としの動きが活発になり、各チームのスプリンターは続々と脱落していくが、この動きには伊藤は常に冷静に対応し、数的不利を感じさせない安定した走りを見せる。

最終周回に入ると集団は19名まで縮小し集団ゴールスプリントになるかと思われたその刹那、残り3kmを切って逃げ切りの可能性にかけた2名の選手が先行をはじめ、10秒程度集団を引き離す。それを追って1名の選手が飛び出し、構図は2名、1名、メイン集団となるが集団を牽引するほどの人数を揃えたチームは1チームも存在せず、結果的に先行した2名、1名の計3名の逃げ切りを許す。メイン集団内でスプリントに挑んだ伊藤は3番手でゴール。この結果、最終順位を6位としUCIポイント40ptを獲得した。
伊藤は圧倒的不利の中、冷静を保ち、的確な動きで結果に結びつけてくれたことはベテランならではの素晴らしい走りであった。反面、レース脱落者をチームから4名も出してしまったことは監督として大変悔やまれる。

マレーシアでの10日間の戦いを終え、チームは少し間をおいて4月より国内戦をメインにレース活動を行うがここで仕切り直し、個々の気持ちを一つにチームとしての形作りをしていきたい。

愛三工業レーシングチーム
テクニカルディレクター 西谷 泰治

レースデータ

レース名:PETRONAS Le Tour de Langkawi 2020
開催地:マレーシア・ボルネオ島、マレー半島、ランカウイ島
カテゴリー:UCI プロシリーズ 2.Proクラス
開催期間:2月6日(水)〜2月15日(日)10日間
遠征期間:2月3日(日)〜2月17日(火)15日間

【日程】
Kota Kinabaru Criterium Kota Kinabaru 90km
Stage1 Kuching 96.2km
Stage2 Kuala Terengganu – Kerteh 175.5km
Stage3 Temerloh – Kuala Lumpur 162.5km
Stage4 Putrajaya – Genting Highlands 156.1km
Stage5 Kuala Kubu Bharu – Ipoh 165.8km
Stage6 Taiping – Pulau Pinang 150.9km
Stage7 Bagan – Alor Setar 130.4km
Stage8 Dataran Lang – Kuah, Langkawi 108.5km
MMC Langkawi Classic Pekan Kuah, Langkawi 159.0km
総距離 1394.9km

*ツールドランカウイはインターネットでライブ中継が行われました。毎ステージ1万人から2万人に視聴されていました。(Humanvoyagechannel@Youtube)

レース結果(上位選手)
ステージ 順位 選 手 UCIポイント
Kotakinabaru Criterium 15位 大前 翔
Stage1 16位 住吉 宏太
Stage2 10位 草場 啓吾
Stage3 16位 住吉 宏太
Stage4 34位 伊藤 雅和
Stage5 12位 大前 翔
Stage6 18位 大前 翔
Stage7 9位 大前 翔
Stage8 9位 草場 啓吾
Malaysian Classic 6位 伊藤 雅和 40ポイント
個人総合時間賞 27位 伊藤 雅和 5ポイント
個人総合時間賞 34位 住吉 宏太 3ポイント

愛三工業レーシングチーム 出場メンバー

【選 手】
伊藤 雅和 ITO Masakazu
住吉 宏太 SUMIYOSHI Kota
岡本 隼  OKAMOTO Hayato
草場 啓吾 KUSABA Keigo
大前 翔  OMAE Kakeru
貝原 涼太 KAIHARA Ryota
【スタッフ】
西谷 泰治 NISHITANI Taiji テクニカルディレクター
小松 定俊 KOMATSU Sadatoshi チーフメカニック
早川 朋宏 HAYAKAWA Tomohiro チームスタッフ
渡会 菜々 WATARAI Nana チームアシスタント
久保 真一 KUBO Shinichi マッサージャー(Masseur.jp表参道治療院) 

愛三工業レーシングチーム・主な採用サイクルジャージ

EPIC サイクルジャージ
ビオレーサーの新しいハイエンドラインEPIC。タイトなフィッティングながら、レースポジションにおいての快適さも実現した究極のエアロ効果を発揮するロードレース向きジャージ。筋肉をサポートして、パフォーマンスを長く持続させる効果も発揮するレーシングモデル。

EPIC シームレスビブショーツ
軽さと着心地、レースポジションでの快適さを追求したレース用ビブショーツ。優れた着心地とストレスのないシームレスグリッパーとカットオフ仕様の裾に部位により着圧を調整、しっかりと筋肉をサポートする機能も発揮する専用素材を採用。

RACE ロードレースワンピース メッシュ
軽量なエアーメッシュ素材を前面と背面に使った、蒸暑い天候でも熱がこもらず、熱帯気候でのレースに最適なスーツ。エアーメッシュ素材の構造が、過酷な条件下でも自然に汗や熱を逃がします。

 


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