サイクリングやレース、イベントなどの際の事故に対応するための講習会「サイクルセーフティ」をご存知でしょうか?現役の医師や救急救命士、看護師をはじめ弁護士やプロのサイクルガイドなどが講師を務め、サイクルイベントやレースでの気をつけるべき点やリスクの確認をはじめ落車した際の現場での実践的な応急処置や安全確保の方法などを学べる、大変有意義な講座です。
大規模なサイクルイベントだけでなくショップ主催のライドや仲間内でのサイクリングなどで、万が一事故に遭遇してしまった際に、冷静に対応できるかどうかは非常に重要です。どんなに気をつけていても、アクシデントは100%回避できない以上、万が一に備えた危機対応能力と応急処置の方法などをサイクルスポーツに関わる全ての方に学んで欲しいと思います。
以下に、昨年末に開催された「サイクルセーフティ」の模様をご紹介させていただきますので是非ご覧ください。このブログをご覧になり、「サイクルセーフティ」について、学んでみたいと思われたら是非次回開催予定の「サイクルセイフティ2021春」にお申し込みください。
講座前半は、座学で学びます。冒頭に「サイクルセーフティ」の実行委員長を務められている株式会社スマートコーチングの安藤様から講座の主旨の説明を聞いた後、サイクルスポーツ特有の事故や危険性についてスライドや実際の事故のビデオなどの事例も交えながら視聴。また、事故の現場で何が必要で何をすべきなのか、どんな知識が必要なのか等、受講にあたっての注意点などを伺いました。また、実行委員の株式会社アスロニア代表の白戸様からも、サイクルセーフティ受講の意義についてご説明いただきました。
その後、弁護士の方によるイベント開催時の注意点やイベントで事故が発生した場合の責任範囲や現場での医療行為について説明いただきました。また、事前に免責事項を記載した書類にサインをしてもらっていた場合でも、万が一の事故の場合には無効となる場合があることやスポーツイベントで発生した際の裁判事例なども詳しくご紹介いただきました。
また、レースで大きな怪我を負ってしまった選手の方から、事故の内容とその後のリハビリについてお話があり、事故現場での応急処置がいかに大切であるかを教えていただきました。
その後も、自らサイクリストとしてイベントやレース、サイクリングを実践されている医師や救急救命士、看護師の方が講師となり、サイクルイベントが多く開催されている各地の救急体制の説明および地域医療への配慮の必要性や事故現場での応急措置の基本などをお話しいただき座学を終了しました。
座学終了後は、「安全確保」「初期評価」「全身観察」「搬送」の4セクションに分かれてそれぞれ応急処置や事故の際の対処方法、安全確保のための注意点などを学びます。例えば、「搬送」は事故の現場で負傷者をストレッチャーに乗せるためのトレーニング。数名の受講者で組みになり、負傷者に負担を掛けずに安全にストレッチャーに乗せる方法や手順を順番に実践・見学することで身体に覚えこませます。消防署や日本赤十字社主催の普通・上級救命講習に比べ、自転車事故に特化した想定でより実践的な講習となっていました。自動車教習所のコース内での講習のため、実際の路上での事故の臨場感もあり、皆さん真剣に取り組まれていました。
「安全確保」は、公道でのサイクリングやグループライド等で事故が発生した場合を想定した安全確保のための手順や方法を確認するための講座。走行中に事故が発生した場合に、いかに動きどう安全を確保するのかに加え、公道上で事故が発生した場合に考えられるリスクと対処方法、手順などを何度もシミュレーションしながら確認していきます。
各班1時間ごとに「安全確保」「初期評価」「全身観察」「搬送」の4セクションを受講、全員が全ての講座を受講した後に、全員で複数人落車発生を想定した総合救護シナリオ実習と、とても充実した内容となっていました。サイクルイベントやショップライドの主催者、ツアーガイドやスクールで指導するコーチはもちろん、イベント参加者や受講者が万が一事故に巻き込まれてしまった時に、冷静に安全確保と応急処置が施せるか否かはとても重要です。また、仲間同士でのサイクリングの際も同様、アクシデントの際に落ち着いて状況を判断して的確な処置ができるよう普段からの心がけと「サイクルセーフティ」などの講習を受講する大切さを改めて確認しました。
なお、「サイクルセーフティ」受講者には特典として有償で参加証明書とステッカーの発行を行っています。ショップやイベントホームページなどに掲載することで安全や安心をアピールすることが可能です。
このブログをご覧になり、サイクルセーフティについて、学んでみたいと思ったら是非次回開催予定の「サイクルセイフティ2021春」にお申し込みください。
サイクルセーフティを共催されている「スマートコーチング」様では、「サイクルセーフティ」以外にもサイクルスポーツイベントに参加する初心者から上級者までのサイクリストが、安全かつ安心してサイクルレースやサイクルスポーツを楽しむ為に、身に付けておきたい基本技術や集団走行技術を実践的に学べる「サイクルスクール」も定期的に開催されています。「スマートコーチング」様Facebookもぜひご確認ください。
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